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資産除去債務(除却時)

負債に関する仕訳⑪

【お題】資産除去債務を計上した資産を、予定通り除却することになった。この場合の除却費用の仕訳は?

コツ
除却時には、これまで計上してきた資産除去債務を除却費用として充当する。それが資産除去債務(除却時)のコツ!

【仕訳】 資産除去債務 1,000 / 普通預金 1,000

※これとは別に資産を除去する仕訳も必要です。 
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負債 資産除去債務 固定資産

Situation

資産除去債務について、前々回前回の続きです。

店員:お待たせしました。こちら、食後のデザートとコーヒーになります。

はじめ君 :
デザートまでついて、この値段なら確かにお得ですね。ピザも美味しかったし、これは並ぶわけだ。

りさ子先輩:
でしょ~。しかも今回は、3号店の下見ということで、経費で落としていいって、部長の承認まで取り付けてあるから、更にお得よ。

はじめ君 :えっ!?いつの間に・・・さすがです。

りさ子先輩:たまには、いいじゃない。今回はオープン前から経理部でも全面支援だからね。担当者のはじめ君、がんばってね!

はじめ君 :うっ、プレッシャー・・・

りさ子先輩:これぐらいでプレッシャーって言ってたらダメよ。

はじめ君 :はい、分かりました。ところで、資産除去債務って、最終的にはどういう処理になるんですか?

りさ子先輩:ここまでの流れでくると、どういう処理になると思う?

はじめ君 :あっ、やっぱり僕が考えなきゃダメってことですね・・・

りさ子先輩:はじめ君、私が説明をしてあげるのは簡単なことよ。でも、その内容をノートに書き留めたとして、1年経っても覚えてる?

はじめ君 :そうですね~、1年と言わずに、1ヵ月後に覚えているかどうかもあやしいですね。

りさ子先輩:会計っていうのは日々色々な処理が発生して、その度に自分の頭で考えて、判断して、処理をしていかなきゃいけないの。理屈や手順をゼロから自分で考えてみるということが一番大事なのよ。

はじめ君 :そうですよね。簿記2級の勉強していた時は試験に出そうな仕訳を暗記してたけど、経理の仕事をするときには、その暗記した仕訳と実際の処理がなかなか結び付かずに苦労しました。

りさ子先輩:暗記しただけの知識なんて、はっきり言って意味がないわ。知識っていうのは、実際に活用するためにあるのよ。


はじめ君 :先輩とこういう話をするたびに痛感します。脳みそフル活用ですね。

りさ子先輩:私たちは、機械を作ったり、発明をしたりする技術があるわけじゃないからね。会計処理の意味や必要性も含めて理解した上で経営層に説明できないと、ただの事務処理屋に成り下がってしまうわよ。


はじめ君 :はい、肝に銘じておきます。

りさ子先輩:で、どういう処理になると思う?


はじめ君 :えっと、利息費用を決算のたびに計上してるから、除却時には資産除去債務は最初に見積もった除却費用のところまで増えてますよね?
ということは、除却時の費用処理は、資産除去債務を充当する。これでどうですか?

りさ子先輩:パチパチパチ!よく出来ました。除却費用のために計上したものだから、除却する時にはその役割を果たさないとね。

はじめ君 :そっか、除却すると同時に、資産除去債務もB/Sから消えるってことですね。ちなみに、「資産除去債務」っていう勘定科目、うちのB/Sで見たことないですけど・・・

りさ子先輩:いいところに気付いたわね。まず、資産除去債務は平成22年4月1日以後に開始する会計期間から適用されるから、これまでは計上する必要もなかったの。それに、うちのような規模の中小企業は、ここまで会計基準に厳密に対応する必要性はすぐにはないから、当面はこの処理はしないと思うわ。

はじめ君 :じゃあ、今日はなんでこんな話をしたんですか?一生懸命考えたのに、なんだか損した感じがするな~。


りさ子先輩:うちでこの処理をするかどうかは、関係ないわ。経理マンとして、手順を追って処理を考えるということをはじめ君に体験して欲しかったからよ。
資産除去債務は、新しい会計基準である分、理屈の整合性がとれた上で会計処理がつくられているから、いい材料だと思ったの。

はじめ君 :そういうことですか。確かによく分かりました。僕ももっと頑張ります!

りさ子先輩:期待してるわよ。さぁ、そろそろオーナーさんと約束の時間だし、ビルの中を見せてもらいに行こうかしら。

はじめ君 :そうですね。ここの領収書は、会社宛でもらっておきますね。

りさ子先輩:よろしくね。