中小企業の為の不正防止策とは?

2017年09月07日

企業現場では、従業員や役員により不正や横領が行われてしまう場合もあります。会社として、それを防止するためにはどうしたらいいのか?有効な対策はあるのか?気になるところです。

 

━━━今日は中小企業の為の不正防止策についてお話いただきます。過去にはオリンパスや東芝など、大企業による不正のニュースが絶えません。
大企業の不正経理事件は、公認会計士としてはやはり気になります。
報道では、監査法人の責任も言われていますが、外部チェック機関としてどの程度不正を把握していたか、また、把握していたならなぜ正すことができなかったのか、非常に興味深い点です。

━━━大企業の不正事件を見ると、中小企業にとってはあまり自分に関係ない、別世界の話のように感じると思われます。その点についてはいかがでしょうか。
上場企業の不正事件は、その金額が何百億、何千億と、中小企業が普段扱う数字とは桁がいくつも大きいので、その様に感じてしまうのではないでしょうか。
でも、大企業であっても中小企業であっても、不正を行うのは「人」です。人がいるからこそ不正は起きるわけで、そういう意味では中小企業にとっても、決して人事とは言えないですね。
 
━━━それでは、中小企業で考えられる不正とはどのような行為でしょうか。
従業員が関わるものとしては、会社の資金の使い込みでしょう。経営者及び経営陣が関わるものとしては、架空取引の計上などによる粉飾決算、脱税行為などが考えられますね。

━━━従業員の不正だけでなく、経営陣の不正にも注意が必要なのですね。
その通りです。従業員の不正というのは、生活費の足しに、という様な個人的な事情が発端になりますが、経営陣の不正となると、金融機関や取引先の信用確保など、「会社のため」という大義名分の為に行われることが多く、なかなか表ざたにならない、という側面があります。

━━━不正が起こる時にパターンがあるのでしょうか。
一般的に、「機会」「動機」「正当化」の3つが揃った場合に不正は起こるといわれています。
「機会」は、不正を行うチャンスがあるということ。従業員がレジの現金を上司が不在の時に抜いてしまう、というのはこの機会があったから行われた、ということになります。
「動機」は、黒字決算を維持しなければいけない、株主が納得する財務諸表を作成しなければならない、などの大きなプレッシャーなどが動機になります。
「正当化」は、先ほどお話した、「会社のため」という大義名分を掲げることで、自分は会社にとって正しいことをしているのだ、と自己正当化をしてしまうことがあります。
この3つの要素が揃った時、不正の誘惑に負けてしまう、ということなります。

━━━誰でも、少しは考えることばかりですね。では、会社としてどうしたら、不正の発生を防ぐことができるでしょうか。
不正が起こる為の3要素は、実はだれでも一度は心によぎった事がある事柄ではないでしょうか。つまり、不正というのは、いつ、どこで、誰が行ってもおかしくない行為なのです。
でも、多くの人は不正の誘惑に負けることなく、自分にブレーキをかけることができます。そのブレーキになるものを会社として用意してあげることが、不正防止のカギとなるのではないでしょうか。

━━━ブレーキですか。
そうです。例えば「機会」を作らない為に、常に複数人で業務にあたる様にルールを作ったり、「動機」を与えない為に、業務に関する責任を分散化する、などが考えられます。
また、「正当化」を防ぐためには、コンプライアンスの遵守を経営陣で再確認するなど、さまざまな対策が考えられます。
この様な対策を行うことで、相互監視機能が働き、不正の発生率を大きく下げることが可能です。

━━━なるほど。どの企業でも、今から取り組むことができそうですね。
その通りです。難しく考えずに、取り組めることから始める事はとても大切です。不正が起きてからでは時既に遅し。今すぐにでも対策を始めたいですね。

━━━不正が無い会社は従業員のモチベーションも上がります。
そうです。正しい経営を行う会社は、社内の雰囲気も明るく、健全なものです。企業価値向上の為にも、不正の無い会社にしましょう。

 

 


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